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料理はほかにもいろいろあります。

2013年1月30日水曜日

グランドジェネレーション=GG


放送作家で脚本家の小山薫堂さんが自らのエッセーで、60代は「シルバー」や「シニア」という呼称より「グランドジェネレーション」と呼ぶべきだと論じていた。

曰く、知識や経験が豊かで、そのうえ蓄えもあるパワフルな世代だからというのだ。グランドは最上級、威厳のあるという意味。真の価値がわかる、上質を知っている(インスタントコーヒーのCMみたい)大人の世代ということらしい。略してグラジェネ、GGと呼ぶのも格好いいという。

60代のジージー(ちなみに3歳の孫からはこう呼ばれている)には、くすぐったいほどの褒め言葉、に聞こえる。何より蓄えはないし…。
でも私はともかく、GG世代が元気を出せば、少しは世の中も変わるはず。贈られたエールは素直に受け、前に向かう糧としたい。

ところで小山さんという人は、それまでの料理番組を一変させた「料理の鉄人」をはじめ「カノッサの屈辱」「ハンマープライス」「世界遺産」など話題のテレビ番組を手がけた放送作家。そして映画「おくりびと」の脚本を書き、大きな話題になったフランスの絵本「まってる。」=1人の男の子が人生の中で経験する出会い、別れ、悦び、悲しみが「まってる。」というシンプルな言葉でつづられる=の翻訳もやってのけた多彩な人。熊本出身の48歳だ。

そんな彼が同じエッセーの中で、「お家カフェ」についても語っていて、仕事をリタイアした後、自宅を使ってカフェを開く人が増えることを望んでいる、という。コーヒーや料理など好きなこと、得意なことを生かしてつくるカフェには豊かな時間が流れ、人が集まる。これを日本中に広げ、ガイドブックを作って旅人が訪れることができるようにしたい、とい。そしてこの想いや夢を同じくする人たちが集まる「まってるカフェ構想」を温めているというのだ。

そんなカフェには、好奇心あふれる元気なGGたちが集まり、様々なサービスのアイデアを生み出し行動を起こしていく、と小山さんは期待している。
一周り以上も年下の小山さんから贈られた熱いエール、と勝手に思い込み、前に向かうとしよう。

2013年1月28日月曜日

白石町長選



1月27日に行われた白石町町長選の開票速報解説を、同町でケーブルテレビを放映しているケーブルワンさんに依頼され、久しぶりに報道する立場に立った。
8年前の3町(白石、福富、有明町)合併後初めての首長選。現職の勇退を受けた選挙戦は前町総務課長大串正敏さん(59)と元県庁職員=武雄土木事務所長但馬健一さん(62)による新人同士の一騎打ち。文字通り町を二分する熾烈な戦いになり、この日の投票結果もそれぞれの得票が7,917票対7,554票と、わずか363票の僅差が勝敗を分ける大変な激戦となった。

この冬一番の寒さになったこの日、珍しくお客さんが多かった店の営業を早めに終え、白石町にあるケーブルワンの事務所に午後7時前に到着。
ディレクターからは7時半までに来て、と言われてたけど、余裕をもって行きました、って、それが当たり前か。

午後8時に投票終了、午後9時から開票作業が始まり、9時半に放送オンエア。
投票率の結果などについて、MCの小杉裕子さんに問われるがまま答えていたら、10時の選管集計が出た。結果は両候補ともに5000票。投票総数は1万5,559票だったので、残り5,500票あまり。これは予想以上に厳しい展開だぞ。

そして30分後。モニターに表れた選管発表の数字は田島さん7,879対大串さん7,519。
あれツ!田島さんがもう半数(7,780票)を超えてる!でもモニター画面には両者の得票数だけで、「当選」って書かれてない。隣の小杉さんを思わず見るが特に反応なし。言っていいのか?彼女に聞かれたこと以外は話してなかったけど…。でもなあ…。
でも思わず「田島さん、当選されてますね…」とぽつり。何とも締まらない!
すると、テロップの田島さんのところに「当」の字が出た。よかったあー。

その後は事前に収録していた有権者のみなさんたちが町政に望む声などが流れ、これにコメントしていると、当選された田島さんがスタジオ入り。田島さんは、まさに「首の皮」の僅差でかわした勝利にもかかわらず特に興奮されることもなく、選挙戦やこれからの町政運営についてしっかりとインタビューに答えられていた。すごいな。

番組の中で、現職の片渕弘晃町長が2期8年の町政を振り返り、白石平野への筑後川取水実現や新庁舎完成などについて語っていた。だが、今後いよいよ厳しくなる財政状況を考えると、田島新町政にはこうしたハード面の充実はあまり望めない。ソフト面を中心にした新しい白石町づくりということになろう。
そのためにはまずは旧3町の意識を捨て、本当の意味で町が一つになる「融和策」こそが最も大事。今回戦った両氏、そして現町長も、そのことを強調されていた。これほどの激戦だったのだから、互いにしこりは残るだろうが、まずはそのしこりを残さない施策こそが重要だ。そのうえで、白石町に暮らす人々が健康で幸せを感じる町づくりをあらためて目指してもらいたい。

白石平野は佐賀県を代表する農業地域であり、恵まれた気候や土壌で、ここでできない農作物はない。とは言え経済面からみると農業は厳しい。だからこそ田島さんも加工や流通販売まで一貫して進める「6次産業」としての農業推進を訴えていた。農協は40年も前から3町がスクラムを組んで取り組んできた。農協や農家、町内の中小企業、NPOが歩調を合わせ、これを町行政がしっかり支えていくことで域内経済の循環がスムーズに動き始めるはずだ。田島さんが強調されていた有明沿岸道路の建設が進んだとき、福岡や熊本、長崎など県外からの買い物客が寄って来るような「道の駅」的な施設も登場してくるだろう。インターネット戦略なども有効だ。情報戦略は若い人たちにも仕事の場を広げる期待が持てる。高齢者や女性も大いに活用し、白石に暮らす人々が町自治体の主権者という形をぜひとも実現してほしい。